サミットインタビュー[Code for Niigata]:山田さん

2018.09.16 | Code for Japan Summit

踏み出さないとはじまらない。Code for Niigata 山田さんが考えるシビックテックとCode for Japan Summit

今年5回目を迎えるCode for Japan Summitは2018年9月22日・23日に新潟で開催されます。2018年のテーマは引き上げたり、救い上げたり、状況を打開するという意味を込めて「Salvage(サルベージ)」。新潟には「地域を繋ぐこと」を目標に、市民・民間企業・行政が真の意味で協働する場をつくる Code for Niigataがあります。今回は「Code for Japan Summit in 新潟」共催のCode for Niigataの代表 山田道也さんにCode for Japan Summitやシビックテックについてお話を伺いました。
ー Code for Niigata設立の経緯を教えてください。
Code for Niigataは2015年に設立し、今年で4年目になります。設立は新潟市主催のアイデアソン&ハッカソンイベントがキッカケでした。アイデアソンの2週間後にハッカソンの前夜祭として開かれた飲み会に参加したのは、新潟市役所の人とファシリテーターの二人と自分。普通の参加者はまさかの自分一人でした(笑)飲み会では作っているアプリの話から始まり、公共交通のバスのわかりにくさ、アパート暮らしでの雪かきフリーライダー問題など、地域課題について話していく中で「code for をやるべきなんじゃないの?」とCode for Japanの関さんに言われました。会社にも相談しないといけないと思い、「やります」とは言い切れなかったのですが、翌日のハッカソンの最後で飲み会に同席していた新潟市役所の方がハッカソン参加者に「山田くんから重大な発表があります」と言い出しました。全く準備はしていなかったけど、その時に「やる」ということは決めました。そして参加者に「イベント楽しかったね。で終わっていいのか?これで終わりにしてしまっていいのか?地域のことをこれだけ今考えたのに、ここで終わってしまっていいのか?」という話から始め、最後に「Code for Niigataを始めましょう」と伝え、その場でFacebookグループを作りCode for Niigataの活動が始まりました。
ー Code for Niigataの今までの活動について教えてください。
1年目は「とにかく継続させることが重要」という気持ちで、月1回のコアメンバーミーティング(現在は定例。8月で40回目!)を実施しました。運営や方針は特に立てていなくて、流れで始まったのでとりあえず続けることを意識していました。続けないとそもそも始まらない、定期的に会って話をすることが大事だよね、という感じでやってきました。1年目は何もわからない状態だったので、周りの人からいろいろなイベントを教えていただいて参加していました。1年目の終わりに体系立てた活動をやっていないことに気がついて、2年目は運営計画を立てて活動しました。Code for Niigataは圧倒的に知名度が低く、またIT系同士のつながりはあるのですが、非IT系とのつながりはほぼゼロに近かったです。対外的な知名度を上げていこうということで、非IT系の人にITに触れてもらう目的もあり、THETAをもって非IT系が集まるイベントに参加しました。運営計画で決めたイベントもやりつつ、カメラを持っていろいろなイベントに参加した結果「360°カメラを持っている山田さん」が有名になってしまったのは想定外でしたが(笑)設立した2015年から毎年、Code for NiigataはCode for Japan Summitにはブース出展しています。参加者の趣味からトマソンマッピングパーティ(*1)を実施していたのですが、Code for Japan Summitでの出会いをきっかけにトマソン以外のマッピングパーティもを開催するようにもなり、 埼玉と一緒にイベントやるようになりまた。当初は外のイベントにでるのは私だけだったのですが、2年目の後半から3年目にかけては、「外に出ていかないと、わからないことはいろいろある」とメンバーに伝え、みんなも外に出ようと声をかけるようになりました。3年目の運営計画には、サミットを新潟で開催すると書きました。
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ー 山田さんにとってのシビックテックとは?
私のシビックテックは変化しています。Code for 〜 に関わる前は「シビックテック」という言葉を知りませんでした。何かの役に立ちたいという想いは持っていて、ただ、どうすればよいのかわからない状態です。東日本大震災のときに「情報をリツイートすると良い」とアドバイスをもらい、やってみた結果、タイムラグが発生して誤情報になってしまったことがありました。良かれと思ってやっても、必ずしも良い方向にいくわけではない。恐怖心が生まれ、それが原因で一時期はSNSから距離を置こうと思ったことも。。「何かをしたい、何かできることがある」とは思う反面、「やったことが良くない結果になったらダメなのでは」感じていました。Code for Niigara設立後に「シビックテック」という発想を知り、自分にもできることがあるのではと変化がありました。活動していくことで仲間が集まって価値があることができる。きちんと発信し続けることが重要であり、発信していけば助かる人がいるかも知れない。そう思うようになりました。最初はコードを書いて何かを作らなければいけないと思っていましたが、他のブリゲードの話を聞いたり、サミットに行くようになって「自分の手の届く範囲で、世の中に役に立つことができる」それで良いのだと。サミットの準備中も変化があります。私達は「市民協働」と言っているが、実際は行政を理解できていませんでした。課題と思っていることが課題とは限らない、噛み砕いて考えていくと、課題は別の場所にあることもあります。市民の課題が大事なのはもちろんですが、行政や国がどの方向を向こうとしているのかを理解する。相手を理解するところから始まり、その上で自分は何ができるかを話し合うことを大切にして活動する。それが今の私のシビックテックです。今が最終終着点ではありません。これまで「私のシビックテック」が変わってきたように「Code for Japan Summit 2018」が終わったあとも、私のシビックテックは変わると思います。
ー Code for NiigataとしてCode for Japan Summit 2018に関わる理由はなんですか?
サミットやイベントに参加するようになって、参加者の熱量を感じ、シビックテックについて考えるきっかけになりました。ただ、それで変わるのは自分だけで、参加していない人にどんなに想いを共有しようと頑張っても伝えきれない、実際に触れないとわからないことに気づきました。だから「百聞は一見に如かず」ということで、サミットをやったほうが良いと思いました。
サミットの熱量や面白さは現場でなければわからない。それをメンバーと共有したい、触れてもらいたいと思い、当時から私はサミットを新潟でやりたいと言っていたのですが、実際、昨年の神戸で行われたサミットで「次は新潟で!」と宣言して帰ってきたら、みんな驚いていました(笑)
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ー Code for Japan Summit 2018に参加した人に何を持ち帰ってもらいたいですか?
今回のテーマは「Salvage」です。地域の埋もれていたポテンシャル・人材、昔の私のように何かやりたいけどモヤモヤしている人が形を作れる機会にしてほしいです。今までのサミットは東京や横浜、神戸など大都市で開催してきたので、今回の新潟開催が本当の地方開催となると考えています。新潟という地域をSalvageして焦点を当てることで、他の地域でも開催できるんだと思ってもらいたい。これからの活動をどうしようと悩んでいるブリゲートや、まだCode for 〜 が立ち上がっていない地域の地域課題に取り組む人が来てCode for 〜 や似たような団体が立ち上がるキッカケになると嬉しいです。
ー 最後に一言お願いします。
踏み出さないと始まらないです。始まらないで文句を言っても何も変わらない。まずは一歩を飛び込んでみる。だから、Code for Japan Summitに来て「Salvage」。引き上げられてみてはいかがでしょうか?
Code for Japan Summitは9/22(土)、9/23(日)に新潟で開催されます。山田さんはもちろん、海外や全国でシビックテックを実践している人たちが集まります。シビックテック初心者も大歓迎!ぜひ参加しましょう!

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